忠勇隊

一、一軍一心之心得肝要ニテ他藩自藩の差別相立テ功争ヒ候儀致ス間敷キ事。
一、軍容整々堂々進退粛々静々ニ可致事。
一、議論喧嘩等致ス間敷キ事。
一、策略等在付候者ハ私ニ議論不致直ニ中軍ニ申出十分論弁可致事。
一、敵ノ兵気虚実等謾リニ評論致ス間敷キ事。
一、出火其他相騒グ事有之節迚モ昼夜其任地相守リ猥リニ立離レ不申中軍之令ヲ持チ可申事。
一、其地方々々農民ハ勿論商売人等少シモ無理ノ扱ヒ致ス間敷キ事。
一、山林竹木猥ニ伐取田畠毛頭蹈荒シ候様之議決シテ致ス間敷キ事

長州藩

元治元年六月一六日〜一二月頃

三田尻招賢閣

真木和泉（元治元年六月一六日〜七月二一日 在任）
真木外記（元治元年一一月一八日〜一二月頃 在任）
中岡慎太郎（元治元年一一月一八日〜一二月頃 在任）

　長州藩の挙兵上洛をまえに諸藩の脱藩浪士が中心なって結成された長州藩への合力部隊。
　元治元年六月一七日、上関を出発し二一日には大坂へ到着。天王山に本営をおき禁門の変に参戦した。下の名簿からもさっせられる通り、隊中には土佐脱藩の浪士も多く、そのうちこの禁門の変では那須俊平・尾崎幸之進・柳井健次・上岡胆治・中平龍之助・伊藤甲之助・松山深蔵・能勢達太郎・安東真之助・千屋菊次郎らが何らかのかたちで死亡している。
　忠勇隊は長州へ帰国後、中岡慎太郎・真木外記・長谷部鉄之進の三名が隊長をつとめ、前者うち二名はのちに総督、後者は軍司の役についている。八月五日、馬関戦争の報を聞いた忠勇隊はこれに加わるべく下関に向かったが講和談判中との理由で不承々々、三田尻へ帰還。その後、外国と講和した長州藩庁への不満から脱走するものもあって、ほどなく解散した。