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坂崎紫瀾・林原純生『汗血千里の駒 坂本龍馬君之伝 岩波文庫』につき雑感


坂崎紫瀾・林原純生『汗血千里の駒 坂本龍馬君之伝 岩波文庫』

概要

『汗血千里の駒 坂本龍馬君之伝 岩波文庫』 龍馬暗殺から16年—維新の記憶もまだ新しい明治16年、地元高知の新聞に連載された最初期の坂本龍馬伝。自由民権の志士、坂崎紫瀾の勢いある文体からは激動の時代の空気がほとばしる。現代に至るまでさまざなメディアで描かれて来た坂本龍馬像の原点。評判を呼んだ連載当時の挿絵66点を全点収録、詳細な注・人名一覧を付す。
[装丁から引用]
 目次
汗血千里の駒

人名一覧
解説
[目次から引用]

雑感

書感 岩波書店『新日本古典文学大系 明治編 政治小説集一』に収録されている「汗血千里の駒」の文庫版。両書をザッと比較したかぎりの変更点には、

  • 大系版で脚注だったものが、文庫版では本文テキストとは別に「注」として独立。
  • 大系版で脚注だったものの一部が、文庫版では本文にカギカッコ([ ])のかたちで挿入されている。
  • 大系版の脚注と文庫版の注とでは、後者が前者に比べて簡略化の傾向。
  • 大系版にあった補注が文庫版には存在しない。
  • 大系版にあった補注から人物解説のみ独立し、文庫版では「人名一覧」として立項。
などが見受けられる。
 「汗血千里の駒」の単行本は、明治期だけで八〜九種ほどが出版されており、岩波版(大系版と文庫版)の底本には土陽新聞連載時のものが基本そのまま使われている。岩波版の登場まで世にもっとも流布していた摂陽堂版(=春陽堂版)は、土佐史談会復刻の『汗血千里駒』で確認ができ、筑摩書房『明治文学全集(5)明治政治小説集 第1』収録のものは、挿絵を一部で欠いているものの、岩波版とおなじく土陽新聞版が底本にあたる。
 諸書に敢えて住みわけをもとめるのなら、注記のこまかい大系版が内容の充実度では一頭地でていて、コストパフォーマンスなら文庫版で一択。流布本のかたちを確認したいのであれば土佐史談会復刻版。取っ付きやすさなら現代語訳の『坂本龍馬伝 明治のベストセラー「汗血千里の駒」』・『真龍馬伝 現代語訳汗血千里駒』が撰ばれるだろう。

坂崎紫瀾(作)・林原純生(校注):岩波書店:2010年11月16日 発行:940円(税抜)

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(平成二三年二月一一日識)

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