詩歌篇
海山千里遠ク且険ナリ 受君今朝皇京ニ入ル 一晤相逢フテ忽チ相別ル 且語リ且驚ク真ニ多情ナルニ 義ニ伏シ誰カ能ク聖意ヲ奉ゼン 奇ヲ出ダシマサニズベカラク郡氓ヲ救ウベシ 君去ッテ為ニ報ゼヨ同友ノ士 雲ヲ耕シ共ニ天日ノ明ヲ拝セント
千屋君帰郷ヲ送ル
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荊棘未ダ芟レズ謀皷瘻失ス 沈滞聊カ一身ノ艱ヲ避ク 悠ヒハ長シ客路三秋月 望ミハ絶ツ家里万里ノ春 前樹鳥鳴イテ日暮ヲ俟ツ 後園ニ花落チテ春ノ還ルヲ覚ユ 如今世事茫々ノ夢 空シク光陰ヲシテ等閑ニ付セシム
右命ゼラル所暮春ニ題シ三月廿日 賦シテ以テ奉ル
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橘ニ対シテ志ヲ言フ歌題 首ヲ回セバ憂懐ニ百夢残ス 橘花方ニ発カントシテ昼更ニ閑ナリ 幽香馥郁タリ南窓ノ下 涙ハ尽ク当年赤間ノ関 夙ニ辛苦ヲ飲ム古人ノ節 千里能ク香果求メテ還ル
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筑紫灘ヲ過ギテ感有リ 天涯ノ客ト為ッテ已ニ三歳 家書万金求ム可カラズ 疾風沐雨苦心ノ際 微衷直チニ国讐ニ報ヒント欲ス 豈図ランヤ一朝事大イニ誤リ 遂ニ大譴ヲ将ッテ公候ニ帰ス 吾身死ス可クシテ未ダ死セズ 淪落且ツ抱ク生ヲ倫ムノ羞
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宵々面ヲ裏ンデ行ク市ニ請ヒ 傲ラント欲ス平生酔眼ノ青キオ 恤レムベシ蒼頭ノ好男子 却ッテ妻妾ヲシテ中庭ニ泣カシム
読孟子
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青山青ク海水碧ニ 門司関頭咫尺ヲ扼ス 煙霞三月ノ好風景 却テ悲シム寿永興亡ノ迹 数隊ノ倡妓諸嬪ニ擬シ 玉簪金釵先皇ヲ拝ス 孤客涕ニ因リテ見ル能ワズ 即チ是当年旧営ノ粧 而来天下幾変革 曽テ皇威ノ太古ニ復スル無シ 今ニ至ル六百八十年 碧水青山尚依然タリ
丙寅三月二四日 余赤間関ニ在リテ先帝会ヲ拝シ感慨ニ絶エズ
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丁卯春五公卿ニ随イテ筑紫ニ在リ 公卿門ヲ閉シテ更ニ厚ク謹慎ヲ加フ 予等モ亦公之為スニ倣ヒ日夜感慨悲哀之情止ム能ハズ 偶一詩ヲ賦ス
誤リ来ル書剣百年ノ身 幾カ他郷暦日ノ新タナルニ逢フ 風雨喚醒ス京国ノ夢 満窓ノ山色未ダ春ヲ成サズ
未定稿
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殆フク縛サレ殆フク飢エ時ニ殆フク死セントス 単身曽テ故郷ノ関ヲ出ヅ 花ヲ看鳥ヲ聴キ腸空シク断ツ 月ニ歩シ沙ニ枕シ意更ニ関ナリ 夕ニ千金ヲ抛ツ糞土ノ如ク 朝ニ一飯ヲ請フ山ヨリモ貴シ 人ニ向ッテ吾心事ヲ語ラズ 唯在リ悠々行路ノ間 遮莫レ俗埃四隣ニ盈ツルモ 虚心却ッテ又情真ヲ見ル 何応ニ此ノ神皇ノ道ニ憑ルベケンヤ 直チニ万邦ヲシテ片塵無カラ使メン
西府幽居偶成之時 俗塵四隣ニ盈チ絃歌街衢ニ偏シ我日此ノ間ニ在リ 虚心独坐頗ル自ラ竟ニ静閑スト云フ
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雨泊風餐西又東 労苦猶ホ未ダ途窮ヲ歎ゼズ 船窓忽チ卜ス前程の霽ルルヲ 一沫ノ紅雲斜照ノ中
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正気発シテ皇国ノ桜トナル 衆花敢テ芳英ヲ競フ無シ 果シテ看ル天歩艱難ノ夜 十字ノ丹心万世ニ明カナルヲ
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潔身何ゾ用ヒン隠ニ遁ヲ兼ネルヲ 骨ヲ埋ム豈嫌ハンヤ海又山 世ニ住マッテ恩ニ報ズルハ男子ノ事 任他群小ノ喚ンデ頑ト為スヲ
近誓ヲ録ス
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識ラズ誰カ接ス第一ノ名 紅燈燠々トシテ絃声ヲ照ラス 書生何ゾ問ハン鴨涯ノ柳 吟ジテ東山ニ対スレバ山月明カナリ
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晩節霜ヲ凌イデ勁ク 寒英露ニ潤ヒテ清シ
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二国分離治乱分 五卿進退論評紛 悲歌慷概人多少 卓見済時独見君
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遮莫俗埃畳四隣 虚心却又見慎真 何応憑此神皇道 直使万邦無片塵
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大君の大御心お休めんと
思ふこころハ神ぞ知るらん
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大君の辺にこそ死なめ大丈夫の
都はなれて何か帰らん
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皇京死者心魂亦恐敷思ふ
無き友は都の空に集まりて 抑男児の跡や咎めん
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憶ふ事ありて
降りしきる雨を侵して思ふどちいそぐ旅路の川渡りかな
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(平成某年某月某日識)
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