史跡廻国記
京都史跡記(三)
大阪史跡記(一)
兵庫史跡記(一)
撮影地:大阪府三島郡島本町桜井1-3
"駅"と聞くと現代人ならまっさきに思いうかべそうな駅が鉄道の駅。そんなJR島本駅のすぐ北東に位置する史跡が桜井駅跡、つまりうえの写真。ここは和銅四年(711年)設置の大原駅跡とも、安積親王が薨じた桜井頓宮(ほかに東大阪市説有)付近ともいわれる。一般には流布本『太平記』巻十六に記される「桜井の別れ」舞台の地として著名な場所だ。
写真の右側、碑の左後方にみえる像が楠木(正成・正行)親子像で、台座正面には一言「滅私奉公」と記される。現代なら眉をひそめる人もいそうだが、いま時この単純明快さはかえって貴重だと思わなくもない。
なお、公園内には他に数基の碑がたち、東郷平八郎や乃木希典の書、さらに英国公使パークス建立碑など、著名人の関わるものが多い。「さすが江戸時代以来つちかわれ、かつ喧伝された"忠孝"の象徴的場面。力はいってるよなぁ〜」と内心で感心。
(平成某年某月某日識)