史跡廻国記
京都史跡記(三)
大阪史跡記(一)
兵庫史跡記(一)
撮影地:大阪府高槻市芥川町4-21あたり
『伊勢物語』第六段の舞台として、また古くからの名所歌枕としてしられる芥川。その比定地には、摂津国芥川説・平安宮大宮川説・普通名詞説・虚構創作説など諸説あり、一概に高槻市の歌枕だと理解していいのかは問題がのこる。
歌材としては、芥川(あくたかは)と「あく(飽く)」を掛詞にしたり、縁語「ちり(散り、塵)」を一緒によみこむ例がみられ、郡名の三嶋(掛詞で「見し間」)と併用もされる歌枕である。
拾遺集 977番歌 恋五
延喜御時、承香殿女御の方なりける女に、元良の皇子まかりかよひ侍ける。たえてのち、言ひつかはしける。
[歌意:人をすぐに飽きるという名をもった摂津国の難波・芥川ではありませんが、それと同じように貴方も噂通り飽きっぽいお方だったのですね]
人をとく あくた川てふ 津の国の なにはたがはぬ ものにぞありける
承香殿中納言
(平成某年某月某日識)