概要
日本史上の一大偉人である坂本龍馬。その龍馬についての既設の不十分さを補い、誤りを正し、新たな話題を提供し、知られざる逸話を紹介する。長年の龍馬研究の成果を結集した、こだわりの龍馬伝」!。
[ジャケットより引用]
龍馬の写真はいつ、誰がとった? 数々の手紙の真贋と値段は?……龍馬をめぐる75の異聞珍聞に迫るこだわりの「龍馬伝」!
[帯より引用]
目次……はじめに/月代に髷頭?/だれが撮った?/どこで撮った?/Mr.Jeff Cohen/初めの評価は大物?/おっ、乙女の手紙!/りょうめがてて/直陰・直柔を解剖!/太郎五郎の屋敷/名字は坂本? 大浜/佐川←→才谷屋/和霊様勧請/才谷屋は関脇!/神代巻塩土伝/郷士坂本誕生年の謎/湖底に坂本領地!/もうひちつの龍馬伝説/同生歿の確率/佐那と薙刀に熱中!?/スパイ平井加尾/金貸し良助さん/「肝胆」が半平太の作?/四万十川小脱藩/龍馬の脱藩真理/順動丸に乗艦?/半平太がねたむ!?/奇怪な一翁訪問日/龍馬が人殺し!!/袱紗は胴掛けだった/せ、千六百万!/くりかえす真偽の誤り/逃がすのが好き!/ねこばばが好き?/薩摩の"航海の手先"?/イギリスを見る/間一髪入京のわけ/だる……、寺田屋/いつの? 寺田屋/慎クンもいたぞ/密偵のリポート/け/一? 二? 三?/愛刀の陸奥守吉行/大極丸はいろは丸/竹島開発の夢/山師?/ブーツ/スペンサー銃/大極丸のなぞ/借金まみれの龍馬ら/あやうく/消えた小銃四百挺/ジョセフ=ヒコ/八策一次のもとは?/ふたつの商社構想/絶妙! あえもの名人/サトウと話さぬ!?/こんどこそ斬った!/コケーコッコ!!/記念碑的ニセ手紙/たった五十両!? 逃げた!?/たらーり、たらり/○○○は誰か?/サボる京都見廻組/残念! 四つの不覚/親指をまもる剣士/しまった! やりおうたか!/禁錮一年!?/皇后瑞夢の真相/名は才谷梅次郎/『以呂波便覧』は海賊版!?/写真はお龍!?/銅像祝辞/(補)松浦玲『坂本龍馬』
雑感
本書は平成20年4月1日から6月14日まで高知新聞に連載されていた同氏による小論をまためたもの。一節が約3ページ前後で構成されており、書きぶりも口語生がつよく、NHK大河ドラマをひかえている時期だけに出版社としてはライトな層を意識しての出版か。
いっぽうの著者は本書について史実は二の次のファン
や「龍馬の研究はうそっぽい」
という声も意識して書かれたものと述べており、『定本坂本龍馬伝 青い航跡』にまつわる異聞・珍聞の集成といってよろしい
とのこと。前書とは一節末毎に対応するページまで表記してくれています。
とは言え、必ずしも『定本坂本龍馬伝 青い航跡』を読んでいる要はなく、あくまでも本書とは補完・補論とでもいった関係にあり、その点を意識する必要はありません。ちなみにどんな事項・話題が取り上げられているのかについては、上掲の目次をば参照ください。配列はいちおう時系列順になっているみたいなので、龍馬に詳しい方であれば目次からでもボンヤリないし粗々と議題をさっせられるかと思います。
新人物往来社:2009年9月17日 発行:1,429円(税抜)