史跡廻国記
京都史跡記(三)
大阪史跡記(一)
兵庫史跡記(一)
撮影地:大阪府高槻市野見町2-33
「古陵松柏吼天飆(古陵の松柏、天飆に吼ゆ)、山寺尋春春寂寥(山寺に春を尋ね、春は寂寥)、眉雪老僧時輟帚(眉雪の老僧、時に帚を輟め)、落花深處説南朝(落花深き處に南朝を説く)」
幕末期の漢詩人として著名な(世に「絶句竹外」と称さる)藤井竹外の屋敷跡。場所はカトリック高槻教会の南、高槻現代劇場のかたわらにあたり、上記の詩「芳野」は写真中央の石碑にきざまれたもの。昭和五十二年一〇月、生誕百七十年を記念し建てられた由。
一応のっけに「漢詩人として著名な」とは書いてみたものの、逆にいえば漢詩や国文に興味のない人にはやや知名度の低い人物かもわからない。なかには頼山陽とのからみ(竹外は山陽より詩文を学ぶ)で知っている人は知っているだろう。
とりあえず「何時かは『竹外二十八字詩』(抄出版が新日本古典文学大系に載る)くらいは読んでおこう」とか思った。
(平成某年某月某日識)