史跡廻国記
秋田史跡記(一)
京都史跡記(三)
兵庫史跡記(一)
撮影地:秋田県秋田市寺内大畑
秋田県護国神社の北方、寺内山こと高清水岡の西部頂上あたりに建っている五輪塔。
塔のそばには明治天皇御休憩所碑・大正天皇御休憩所碑・伊藤永之介文学碑などの諸碑がある。
(ちなみに天皇陛下・皇后陛下御親拝記念碑も護国神社のそばにある)
ちかくに樹木さえなければ、あたり一帯を長望できる高所にあるので、藩政期には港にはいる船のいい目印になっていたとされている。
かたわらの「五輪塔基元録」と題された碑によると、初代の塔は寛永二〇年(1643年)に建てられたもので、文化元年(1804年)と同七年には地震で二度の倒壊を経験し、現在の塔は都合四代目にあたるものとおぼしい。
幕末期の嘉永七年(1854年)には異国船から格好の砲撃的にもなりかねないということで、付近には松の植林が図られたりしている。
寺内五輪左右ヘ松ヲ御植、見透不相成様可被成御取調之趣、至極御用意ニ存候
(三月二五日付佐藤源右衛門書簡)。
うえの写真左側にもうつっている松が「当時うえられたものなら、感慨ぶかいんだけどなぁ」と心中で思考しつつ、実際のところどうなのかは知らない。
(平成二二年一二月一九日識)