史跡廻国記
秋田史跡記(一)
京都史跡記(三)
兵庫史跡記(一)
撮影地:秋田市八橋本町六丁目
さきに紹介した全良寺に隣接する日蓮宗塚原山宝塔寺。
寺には久保田城で没した馬をほうむる馬塚や吉川五明その他の句碑がのこり、藩における近世以来の名刹との観がある。
そんな宝塔寺でとりわけ(といっても県内的に)著名な石物としては、秋田市の指定文化財にもなっている高さ約9m・最下層約2mの石塔が知られる。
正確な建立年代は不明とされるものの、塔内に貞享二年(1685年)銘の石碑がのこるそうなので、この年以降の幾許かとおぼしい。
ちかくの立て看板によると、建立の由来として一説には土崎湊に来航した西国の商船が暴風雨によって難破しそうになったが、宝塔寺の守護神である七面大明神に祈願して、無事に入港することができ、難を免れたお礼として大阪から船で運ばれきたといわれている
らしい。
石塔のかたわらには、この塔をまもるかのように素朴なつくりの仁王像っぽいなにか(右・左)が立ちひかえており、これもその西国商人よって建てたものなのだろうか。くわしく調べてはいない。
(平成二三年六月一一日識)