は行
其之一
其誠心可感、其達見可嘉
薩長和解は、坂本龍馬が仕遂げたというも過言でないが、私は内実の功労は中岡慎太郎が多いと思う。中岡は、高杉[晋作]がまだ長州の内訌を回復せぬ前、四境には兵がかこんでおる。ことに遊撃隊に身をおいて、その苦心は一方ならぬものであった。坂本は私どもが五卿を迎えて国に帰った後に来た人であるから、どれだけ功労があったか知らぬが私は中岡の功労はよく知っている
長州における坂本と中岡の周旋を見るに、はでなことは坂本に属するが、中岡はどうかというに、この人ほど苦心した者はないと思う
早川勇
才谷[坂本龍馬]、中岡の二士、高名博論の人にこれ有り候
晩翠樓叢書
実以遺恨忿概之次第なり
中岡君は、また至誠剛直の真丈夫であって是も儕輩に一頭地を抜いて居った
土方久元
(平成某年某月某日識)