史跡廻国記
京都史跡記(三)
大阪史跡記(一)
兵庫史跡記(一)
撮影地:大阪府高槻市奥天神町1-1-19
「金剛山象王窟」と号する曹洞宗の寺、通称「伊勢寺」。同地は、入集数の点で小野小町をしのぐ古今集第一の女流歌人、また三十六歌仙(藤原公任『三十六人撰』収載歌人)の一人、伊勢晩年の住居跡とつたえられるところ。寺には宝物として愛用の硯・銅鏡が伝世とのこと。
当方訪問時、寺ではちょうど境内工事のまっ最中。小倉百人一首にとられたがため、伊勢の代表歌ともなっている「難波がた みじかき蘆の ふしの間も 逢はでこの世を過ぐしてよとや」(ただし妹尾好信氏によると同歌を伊勢詠とするには問題があるようだ)の碑をフェンス越しにのぞんだだけで、今回はソソクサと退散。結局、西側の墓地にあったらしい「伊勢廟堂」と和田惟政(高山氏以前の高槻城主和田氏)の墓所にもたちよれずに仕舞う。いまだ無念の一言のみ。
(平成某年某月某日識)