な行
其之一
瑞山[半平太]君は如何の訳をもて唯今[文久三年六月]の様に[無為に藩内へとどめ]腐らし置き候事かな。上京も候えば、きっと天朝の御為にも相成る人に候を止め候は如何。実に慨すべくの至りに候事
その誠実、武市に似
瑞山先生、死に臨て従容の事実を聞、おもわず感動
中岡慎太郎
なかなか半平太のごとき因循者に相談は致さず
中山忠光
武市さんが江戸から国へ帰るとき京で『一緒に帰らぬか』と言うと龍馬は『今お国ではだれでもかれでも捕まえて斬っておるから、帰ったら必ずやられる』と止めました。けれども武市さんは無理に帰って、はたしてあのとおり割腹しました。龍馬が『おれも武市と一緒に帰っていたもんなら命はないのじゃった。武市は正直すぐるからやられた。惜しいことをした』とため息をついて話しました
楢崎龍
脱[藩]人あり、謀反人あり、人殺しあり、実に甚だし。其の内にて誰が見ても貴方[半平太]が頭取
上手く言い抜ける。[中略][岡田以蔵と]義を絶たぬうちに『心中で見限りていた』などは貴方に似合わぬ口上なり
半平太・[島村]衛吉とて天下の人にも彼知れたる者
野中太内
(平成某年某月某日識)