や行
其之一
半平太の人なり、かねて承知には候えども、これほどの好男子とは存知もよらず。この度の義憤[土佐勤王党結成を指す]、古の文山にも恥じざるの意気込み。この上はつとめて士心を鼓舞し、壱人にても同志の勢こしらえ候よう、実に身命を抛って処々奔走いたし、神州を補繕する丹心、感ずべし感ずべし。[中略]この先生の腸はなかなか太く、頼もし頼もし
安岡覚之助
今、揚がり屋に入りてある者[半平太ら獄囚組]は皆々忠信の者
山内豊範
怪しからぬこと、あれ[半平太ら獄囚組]は皆々不忠者、大悪人
[半平太の勤王思想を評し]半平太はあまりあまり極端すぎて困る
半平太は困った男なり
[半平太の勤王論を揶揄し]あまり無学で困る
山内容堂
その意、毫も暴議に渉ることなくして皇室の哀弱を憂い、かつ老侯の退隠を解かんことを論ず。けだし当時の快論なり
武市ら僭越して当を失するといえども、老侯をして遂に青天白日を得せしめ参らせ其の精神は全くもって不正とせず
山川左一右衛門
(平成某年某月某日識)