平井加尾
「[千葉佐那のほうが]顔かたち平井[加尾]より少しよし」
平井収二郎の切腹を聞き
「妹お加尾の嘆き如何かばかりか、ひとふで私の様子など話して聞かしたい。まだ少しは気づかいもする」
寺田屋登勢
「これ[寺田屋]は旅籠屋にて候。この両家[寺田屋・日野屋]なればお国にて安田順蔵さんの家に居るような心持ちにて居り候ことにて候て、またあちらよりも大いに可愛がりくれ候」
「これは伏見寺田屋お登勢と申す者にて候。これは長州家および国家に志ある人々は助けられ候ことども、これ有る者なり。もとより学問も十人並の男子ほどの事はいたし居り候ものなり」
「これは学問ある女、尤人物なり」
楢崎君江
「十三歳の女[楢崎君江]は殊の外の美人なれば」
西郷イト
「西郷吉之助の家内も吉之助も、大いによい人なれば此方に妻[楢崎龍]などは頼めば、何も気づかいなし」
黒沢直次郎
「その[楢崎将作の]男子、太郎[黒沢直次郎]は少しさしきれなり」
(平成某年某月某日識)