[龍馬は]策士で海援隊を率いて居た。どうして中々きれたものです。しかし私はこの様云うやつを生かして置いては、おためにならないと思いました
坂本なんと云う奴は幕府のためにもならねば、朝廷の御ためにもなるものではない。只事を好んで京都を騒がせる悪漢ゆえ『是非、斬って仕舞はねばならぬ』とは思いましたが、さて何れが坂本で何処に居るのか少しも解りませんので[中略]しかし幸いにも不図したことから鮹薬師に居る才谷と云うのが坂本だと云うことを確かめましたから、いよいよ殺って仕舞うことにきめました
土佐は恐るるに足らぬが一人の坂本が恐ろしかりき
今井信郎
[龍馬・中岡慎太郎の暗殺を伝え]坂[龍馬]、横[中岡慎太郎]死云々、臣[岩倉]も実に遺憾切歯の至り、なにとぞ真先に復讐致したきものに候
[維新後、旧同志との宴席にて]中岡、坂本二子を見るを得たるは則ち、大橋[慎]子の恵みなり。誼を条公[三条実美]に通じ、交を西郷[隆盛]・木戸[孝允]・広沢[真臣]・黒田[清隆]・品川[弥二郎]五子に結びたるは中岡・坂本二子の恵みなり
岩倉具視
坂本さんは本当に男らしい方でした。好きだったかどうか、オホホホ、いつも詩を吟じながらお帰りになりました
岩村徳
かねがね[近藤]勇話には坂本龍馬打取り候者は見廻組今井信郎・高橋某等少数にて、剛勇の龍馬を打留め候儀は感賞致すべしなど、おりおり酒席にて組頭のもの等へ噺候
大石鍬次郎
龍馬は帯解けひろげのバタラゲたる男なり
大石円
(平成某年某月某日識)