鹿児島史跡 H17.02.21（五）

　西郷家の墓地から道を左折北上し、暫く歩くと常盤町から原良町の町域に入る。事前に調べていた手掛かりによれば「掛越バス停下ル、はらら温泉左折約150m」のところに目的地小松帯刀邸の跡があるらしい。

　現在の時刻（午後3時半過ぎ）からみて、市内北西方面、本日の最後の史跡になるだろうと道を急いでいると、ちょうど邸宅跡へと向かう道が工事中だったため、邪魔にならないよう約10分間、あたりをウロウロして時間をつぶす。約10分後、まだ何かゴチャゴチャと工事をしているようで、申し訳ないとは思ったが邪魔にならないよう道のすみっこを通りぬけ先を急ぐ。

　石垣を背にした道の突き当たりに歴史雑誌や書籍などで見覚えのあった「小松帯刀邸跡」の碑［右写真上段］を発見し、とりあえずこれをデジカメに撮影。碑の左側へつづく道をまわりこみ、ようやく小松帯刀邸跡［右写真下段］に到着した。

　同邸宅跡は龍馬夫妻が宿泊したことのある場所としてよく紹介されることも多いが、お龍自身の証言などから「龍馬夫妻がココに宿泊したとは些か考えにくい」とする見解もあり、今ひとつ断定はしがたい。「そこら辺は伝記や証言の解釈論になりそうだから、人の受け取り方しだいだよな」と結論のでない思考を中断し、邸宅付近をブラブラとうろつく。

　パッと見た感じでは今でも人の居住が可能なように見えたが、実際のところ人が住んでいるのかどうかは知らない。「庭をみる限り、草が生え放題ってわけでもなさそうだから市か誰かが管理くらいならしてるんだろう」と根拠薄弱な推測をし、ここで本日予定の史跡巡りは終了する。

　帰りは小学生がちょうど下校しはじめた原良小学校のまえを通り、突き当たりの甲突川沿に道を下ってホテルへと戻る。途中、新上橋をわたり道路標識にしたがって平之町の平田公園を訪ねてみることにした。

　当初は興味がありながらも立ち寄ることを考えていなかった場所だが、都合のよい道順やタイミングの良い余暇にも恵まれたので、江戸中期の木曽宝暦治水工事総奉行・平田靫負の屋敷跡（平田公園）に到着。公園には散歩の最中と思しき人々やゲートボールを楽しむ老人連、ジャグリングの練習に励む人々など約十数人ほどの姿がみえる。

　公園中央やや西よりの位置にたつ平田靫負像を眺めながら「西郷隆盛と菅実秀の座像にしろ、駅前の薩摩の若き群像にしろ、この平田靫負の像にしろ、何かしら他郷との交流がテーマになった人物像が多いよね。鹿児島って」といった思いつきが浮かぶ。

　「江戸時代には藩ぐるみで鎖国をしているような国だったのに、こういった交流を何げに大事にしてるのな。個人的には好印象なんだが、これって一種のツンデレかね？」とネタっぽいことを考えながら、今度こそ本日の史跡巡りを終了。

　とりあえず、明日は霧島神社のある鹿児島県東方部へ向かう予定になっている。