京都史跡 H14.11.02（六）

　「こんなことなら北上せずに南下しとくんだった」と後悔したところで始まらない。近くに幕末の史跡がないか確認してはみたが、上善寺の近くでとなるとどうにも見つけられない。

　一旦、寺町通りをくだり相国寺ちかくの薩長戦死者の墓に詣でようか思ったが、いまいちUターンする気にもならかったので「一日乗車券のもとを取る意味もかねて、バスで河原町にでも行くか」と考えをまとめる。

　上善寺から東の出雲路橋バス停にいたり、つぎのバス通過時刻を確認したところ、つぎにはまだ余裕がある。ここで時を空費するのも勿体ないので、史跡運にめぐまれない厄払いでもと賀茂御祖神社（下賀茂神社）へ移動する。

　途中、下鴨本通りにかかったところで目をガイドブックにうつすと、ここからちょっと北へ行ったところに「みたらし団子」発祥の店加茂みたらし茶屋があることを発見。

　遅い昼食と話の種にと店ではみたらし団子を注文。「香ばしく焼き上げられた団子が旨い」との感想をだく。ごっつぉおさんでした。

　その後、賀茂御祖神社での参詣をすませ下鴨神社前からバスに乗車。昨日も訪れた河原町二条のバス停で下車する。

　今日こそ合流する連れとの待ち合わせ時間がちかづいてくるなか、昨日は渡ることもなかった二条大橋をわたり、ブラブラと道を南下する。

　右手（西側）に鴨川を、左手に街なみをながめながら、かつて宮川助五郎ら土佐藩士が新選組と激闘を展開したという三条大橋［右写真左］までやってくる。

　橋をデジカメにおさめたら、反対側の高山彦九郎像［下写真］もデジカメに撮影。

　中岡慎太郎が九州地方で使っていた主な変名のなかに「大山彦太郎」なる名がある。「九州は久留米の地で自刃した高山彦九郎にちなんだ変名かね」とそんなことが思いうかぶ。

　なお私にとってこの高山彦九郎像は「歴史上の人物の全身銅像」をおがむ最初にあたったりする（本来なら松厳院の坂本龍馬像が初になる予定だったんだが）。

　つづいて上善寺と同様、たまたま工事中だった豊後屋の跡［右写真右］を撮影。かつて三条大橋東入ル南側にあったというここ豊後屋は、中岡慎太郎も宿舎に利用した場所。新選組が平野二郎捕縛のため踏み込んだ場所としても知られる。

　川端通りから縄手通りへ道をうつし、英国公使パークス遭難地跡へ到着。慶応三年、ここでパークスの警護にあたっていたのは後藤象二郎と田中幸助、一方の刺客は三枝蓊と朱雀操。刺客二人は陸援隊へ参加した経歴をもち、私には警護側・刺客側ともに相応の思い入れがある組み合わせだ。

　とりあえず縄手通りの襲撃ポイントとおぼしきあたりをデジカメにおさめ、今度は中井庄五郎、那須盛馬らが新選組の沖田総司、永倉新八、斎藤一らと白刃をたたかわせたという四条大橋へ。

　個人的には「血わき、肉おどる」・「燃える」ような展開だが、橋の造りが三条大橋にくらべ妙に近代的な四条大橋にいささか奇異の念をだく。「見た目を統一したほうが景観的にも良さそうなんもんだがな」と勝手なことおもった。

　やがて四条大橋から河原町方面にすすみ、中村半次郎寓居跡まえをへて昨日も降り立った四条河原町に到着する。